住宅ローンが組めない中古物件を無理矢理買うべきか?


知り合いの現場監督が、中古住宅を格安で購入して、自分でリフォームしたいと考えている。

色々と情報を提供してあげているが、なかなか良い物件が出てこない。

格安の中古住宅を探す場合は、「中古一戸建て」で探すのではなく、「土地」(古家付)を探すのがベター。

ただし、その古家は築40年とか50年とかもあるので、慎重に調べなくてはならない。

幸いにも、建築に精通している現場監督という職業であることから、床下や天井裏などの構造チェック、築年数に対する痛み具合などを細かく確認している。

だからこそ、そう簡単には良い物件には巡り合わない。

しかし、偶にだけれど、築年数も浅く、再建築不可物件(接道が取れてる物件)でもなく、一見何も問題がない物件に出逢うことがある。

よし!と思って調べてみると、銀行の住宅ローンが組めない。

建蔽率や容積率が大幅にオーバーしているのだ。

これが5%程度なら貸してくれる銀行もあるようだが、20%とかだと流石にどこの銀行も無理。

どうしても購入したい場合は、ノンバンクの住宅ローンを借りることになる。

ノンバンクでも貸してくれないところがあるから、念入りに調査しなくてはならない。

銀行なら金利は1%前後だけれど、ノンバンクだと4%程度になる。

その他、手数料や保証料などもあるから、トータルコストを把握しておくことも重要。

さて、それでは実際にどれくらいの差が出るのかを計算してみた。(手数料・保証料は別途)

〈設定条件 借入金額2,000万円 返済期間30年 元利均等 ボーナス支払いなし〉

①金利1%の場合

 毎月の返済額 64,327円

 総支払額 23,157,879円

②金利4%の場合

 毎月の返済額 95,483円

 総支払額 34,373,581円

総支払額の差額は11,215,702円。かなりの金額差だ。

金利4%の場合、2,000万円借りて、利子が1,437万円も払うことになる。

たった4%と、侮ることなかれ。


それでは、住宅ローンを組めないことを理由に、売主に200万円値引きをお願いできたとする。

③金利4% 借入金額1,800万円の場合

 毎月の返済額 85,934円

 総支払額 30,936,421円

それでも、利子が1,100円くらいかかる。

1800万円の借入で、返済期間を20年にしてみる。

④金利4% 借入金額1,800万円 返済期間20年)

 毎月の返済額 109,076円

 総支払額 26,178,230円


色々とやったところで、金利1%には敵わない。

なので、やはり、銀行が融資してくれる物件を購入することがベターだ。


建蔽率オーバーの物件を金利1%で買う裏技がないわけでもない。

古家は価値のない建物として、土地のみとして購入することだ。

銀行や信用金庫の判断になるが、土地として十分担保が付けられるのであれば、

金利を低く借りられることができる。


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